6/20/2016

figure drawing #57


つい先日のクロッキー。あまり悪く言いたくはないけれど、なんだか覇気のないモデルさんだった。こんなに描きたいと思わなかったのも久しぶりだ。それは自分だけではなかったようで、部屋全体からどんよりと退屈そうな空気がにじみ出ていたように思う。手が止まってしまっている人もいたし。機転を利かせて、最後5分ポーズを増やしてくれて、やっと活気が戻って楽しむことができた。5分ポーズはいい、5分ポーズはいいと、繰り返し言っている人が印象的だった。

6/19/2016

チチノヒ

父の日ですね。
愛する野菜を見つめる少し疲れた顔。
日本に帰ってきた大事な理由の一つに家族との距離感がある。

自分と妻の家族を知ることは自分と相手とその関係を知るのにとても大きな手助けになる。その距離感はそれぞれの時代や環境に合った距離があると思うし、家族と呼ばれる存在のあり方もそれぞれあると思う。飛行機で12時間ぐらいかけて数年に1度くらい会えるのが丁度いい人もいれば、毎日会って確かめたいことがあるかもしれない。

16歳で寮生活を始め、19歳でアメリカに渡ってしまった僕は、自分のことで精一杯で30歳も半ばを過ぎてやっと自分の家族に正面から目を向けられるようになった。毎日10時間10日間も瞑想をしに行った時も、家族のことに一瞬でも想いが至ったのは全てが終わって何気なく歩いている時にふと、あ、そういえば、と思うだけだった。
自分の存在をまるっと受けれてしまった時、それまで大嫌いだった父も一緒に全部飲み込んでしまったような不思議な感覚があって、憎悪は跡形もなく消えて、これまで積み上げてきた自分の歪んだ傾向と習慣と、向き合うべき現実だけ残ってた。

帰国して2年半。父親は変わらず元気そうに畑仕事に精を出している。自分も相変わらず自分のことに大忙しで、日々の大半は家族のことなど忘れて、同じ日本に住んでいても、自分の家族に会うのは年に2回もあればいいほうだ。
それでも、この2年半で、ずいぶん多くのことを自分や妻の家族に教えてもらえたように思う。

6/06/2016

パノラマ

ひと月ほど前に新しく入手したペンを試しに近所の多摩川台公園へ行った時の絵。ペンの走りがとても心地よく、気持ち良くスケッチを終えることができたのだけど、後で見たら自分の筆圧でペン先が結構潰れ、このあとすぐに使えなくなってしまった。筆圧が強すぎるのも問題だけど今更簡単には治らないし、残念ながらこのペンは次は買えない。残念。

描き心地って描く気分に影響するし、その気分は線の雰囲気を変えてしまうと思うから、なかなか大事な要素です。世の中理屈で構築されてるものがこんなにも増えたのに、なんだかんだ言って、概ね人の気分や感情で動いてるからややこしい。