9/19/2017

美術部第20回: 色と自画像

もう前々回の話になるが、マルカフェ美術部で、色を使って自画像を描こうということで、色について簡単にレクチャーさせてもらった。こうすればよかった、あれを言い忘れたなんてものが、レクチャーが終わった後には毎度たくさん出てくるのだけれど、今回も例に漏れず、あーでもない、こうでもないと、騒がしい頭を抱えてしばらく過ごす事になった。その中でも、気になっていることのひとつに、色の相対性というものがある。

色を使って絵を描く上で(というか、光を表現する上で、というべきかもしれない)とても大事な要素の一つであると思っているのだけど、要するに、人の目は必ず相対的に色を見ているはずなので、何に対して青いか、とか、赤いかということを、認識する必要があるという事だ。例えば、人の顔だと、頬や耳や鼻先が赤味がかっていることが多いが、その部分の色だけを抽出してみれば、赤というほど強い色でもなく、光によっては朱色っぽいグレーということもある。その関係性が正しく成り立っていれば、実際の色彩とかけ離れていても、目はリアリスティックであると認識することもできる。明るさを表現するために、影に工夫したりするのも、この相対性があるからだ。補色を使って立体感を表現するのは、実際の色の仕組みを利用しているということもあるが、相対的に目が立体だと認識しやすいように分かりやすい方へ導いているという側面もある。また、だから、と言っていのかわからないけれど、写実的に色で表現する時、真っ黒や真っ白はそのままでは滅多に使わない。何かに対して黒かったり白かったり見えるだけで、実際には黄色味がかっていたり、青味ががっていたりするからだ。

と、ここまで書いてみて、やっぱり文章じゃ分かりにくいなと思った。今度機会があったら、色の講座第2回をやらせてもらおう。