11月はよく働いた。
別々で受けていた仕事が納期変更の連鎖でぴったり合わさってしまい、しかもそのうちの一つは年に一度来るか来ないかの大仕事。思い入れが強く、物理的にも大きくて、それだけで1ヶ月はかかる。適当にやってても進まないどころか、しっかり自分と向き合って、奥の方からどろんと何かを引きずり出さなくちゃ完成しないような作品だ。
こんな時に限ってやりたいと思う仕事が次々にやってきて、気持ちを揺らす。申し訳ないけれどほとんどの仕事はお断りし、なんとか最低限に整えて挑むことにした。
納期に間に合うのか、ずっと不安だった。いつも自分に描けるのかという不安はあるけれど、短い時間で答えが出るか、もしくは納得するまでの時間の猶予がある。しかし今回は期間が長いのに、時間がなくて失敗が許されない。特に寝る前に不安の波が押し寄せてきて、その度に自分は大丈夫とおまじないのように言い聞かせてやっとの思いで眠りにつくような日々だった。なんとなくの完成イメージはあっても、いつも描いていく中で、より良い方へ、もしくは思いも寄らない組み合わせを発見したりして、なんとかイメージを固めていくので、こうすれば終わるという設計工程が自分の中ではとてもぼんやりしてる。それゆえの良さもあると思ってそうしているのだけど、途中に壁が3つくらいあって、2つの壁を超えたくらいでやっと少し安心できる。今回は2つ目の壁を超えても時間的に間に合うのかという不安が拭いきれなかった。
本当に完成してよかった。