マルカフェ美術部、今回はtexture(質感)についてのミニ講座をやりました。
数ヶ月前に、干支(戌)を描くという会があって、それに合わせて動物を描くにあたって大切な質感についてやりたいと思い立ったのが始まり。といっても、これまでにやった講座に比べて特にシステマティックな知識や技能を知っているわけではないし、技術的に言えば、Structure、Value、Lineの組み合わせで質感は表現する事ができるわけで。それよりも、もう少し哲学的なことを話したい。さてどうしようか、と考えた。
あえて物語に例えて説明しよう。
まず、Structureが、物語でいうところのあらすじやプロットにあたる。細かいことは抜きにして骨格として何が起こっているのか。起承転結の大筋として、対象が何物で、どうそこに存在し、どう展開するのか、主観ではなく客観的事実を構成する。
Valueは演出といったところ。光と陰を使って、その物語りのムードを演出する。同じ出来事でも、違う演出でガラリと印象は変わる。因みに色もValueの一種として考えている。
Lineは文体のようなもの。同じあらすじと演出でも、言葉の響きやリズムで、ニュアンスがかわり、作り手の個性が出る。
Lineは文体のようなもの。同じあらすじと演出でも、言葉の響きやリズムで、ニュアンスがかわり、作り手の個性が出る。
そしてTextureは、この物語に出てくる登場人物、キャラクターだ。どのような血筋をもち、どのような生い立ちで、その質感を持つことになったのか。例えば、殺人事件の物語の中で、被害者はどんな人物であったのか。どのような親の元に生まれ、どのように育ち、どのようにして事件に関わるようになったのか。そんな細かな質感は物語に深みを与えるように思う。そんな風に考えると、textureとは何かが見えてくる。
そして、それを実際に描くとき、そのtexureを100%正しく再現することはそんなに重要ではなくて、その生い立ちに想いを馳せること、そんな対象に対する愛情のこもった時間にこそ、意味があると思ったりする。
演出を邪魔しないように、相対的な影の重みはある程度維持する必要はあるが、わりと自由に楽しくtextureを描き込んでいくと、活き活きと面白みのある絵になっていくと思う。またtextureを描き込むことは、わりと時間のかかる作業であることが多いので、我慢強く怖がらず自分を信じて没頭することもわりと大事な要素である。もしうまく描けないのだとしたら、それは結局のところ思い描けていないからかもしれない。そのモノの持つ質感を思い描けていたら、時間はかかってもいずれはたどり着けるんじゃないか、そんな気がするのだ。
そして、それを実際に描くとき、そのtexureを100%正しく再現することはそんなに重要ではなくて、その生い立ちに想いを馳せること、そんな対象に対する愛情のこもった時間にこそ、意味があると思ったりする。
演出を邪魔しないように、相対的な影の重みはある程度維持する必要はあるが、わりと自由に楽しくtextureを描き込んでいくと、活き活きと面白みのある絵になっていくと思う。またtextureを描き込むことは、わりと時間のかかる作業であることが多いので、我慢強く怖がらず自分を信じて没頭することもわりと大事な要素である。もしうまく描けないのだとしたら、それは結局のところ思い描けていないからかもしれない。そのモノの持つ質感を思い描けていたら、時間はかかってもいずれはたどり着けるんじゃないか、そんな気がするのだ。